Home Again

4LDKマンションのインテリア変遷キロク

フィリップ・ロス The Human Stain” 256~273p -17

コールマンとフォーニアを取り巻く人々が,二人の起こした事故を巡って考えたこと,取った行動等々が丹念に描かれている。それでこの章の表題が "What maniac conceived it" ( it は事故のこと)となっているのだということに,ようやく気づいた。フォーニアの元夫レスターに引き続き,この箇所ではコールマンの元同僚デルフィーヌについて描かれている。レスターは元ベトナム戦争従軍兵,デルフィーヌは由緒正しいフランス貴族の血を引き,高い教育を受けたエリートでありながら,その血を嫌ってアメリカに出てきた学者である。彼らは異端なのかもしれないが,紛れもなくアメリカという国の真実を垣間見ている。彼らの目を通すことで,この国の有り様がいっそう生々しく感じられ,興味深い。