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The Oxford Book of Modern Fairy Tales -12

  • Kenneth Grahame "The Reluctant Dragon" 182~202p 読了

「たのしい川べ」「川べにそよ風」「川べのゆかいな仲間たち」で有名なケネス・グラハムの童話。詩と平和を愛しイマイチ覇気に欠けるドラゴンと友だちになった少年が,彼を退治しにきた聖者との間に立って,平和的な闘いを行うよう交渉する。聖者がまた妙に話のわかる人物で,実は生き物を殺すのが嫌いというのが面白い。読後,ほんわかと温かい気持ちになれる。

  • E. Nesbit "The Book of Beasts" 203~214p 読了

国王の存在感がほとんど無く,共和国と思われていたような国。大大大大大伯父さんが死亡し,ある日突然王位を継ぐことになった少年は,熱烈な国民の歓迎を受けると共に,前国王から莫大な蔵書も受け継ぐ。だが,首相をはじめとする周りの大人たちは,彼が本を読むのを激しく咎める。前国王は立派ではあったが,本に魅入られた変わり者で,魔法使いじゃないかとまで噂されていたという。大人たちの反対を押し切って,国王が一冊の本を開いてみると・・。

周囲の大人たちはみな慇懃な物腰だが,国王を完全に子供扱い。1900年に書かれたという時代のためか,国王の扱われ方が軽いのなんのって。とはいえ,本から蝶や鳥だけではなく,ドラゴンやヒッポグリフまで飛び出してくるというあたり,紛れもなくファンタジーである。少し現代的なヒネリはあるものの,基本的には自分の過ちを自分で解決しようとする努力がきちんと報われるので,読後感は爽やかだ。

  • L.F. Baum "The Queen of Quok" 215~223p 読了

オズの魔法使い」の作者バウムの作品。こっちの国王は,放蕩だった父親の報いで,財産はベッドだけという悲惨さ。しかも,壊滅的な財政を立て直すため,わずか10歳で王妃の座を狙う金持ちオババたちのオークションにかけられる。20世紀の国王は哀れ極まりない。さらに,王妃の座を射止めたオババが国に納めた莫大な金を,大臣がうっかり紛失してしまう。うああもうオババと結婚するしかない!と思わせたところで,ベッドから出てきた精霊が国王を助けてくれる(ファンタジーだね)。

しかし,精霊が国王に与えてくれたのは,一回につき25セントしか出せない(だが無尽蔵の)財布。金の力で権力を買おうとしたオババは大量の25セント硬貨を受け取る羽目になり,金を紛失した大臣はそれを勘定せねばならない。まあ,オババから逃れられ,大好きな同級生と結婚できることになった,のんきものの国王にとっては,どうでもいいことみたいだが。