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Nathaniel Hawthorne ”The Celestial Railroad” いちおう読了

娘の習いごと送迎待ちの間,喫茶店でアイスティーを飲みながらザッと斜め読みしたのだが,理解度5割以下(+_+)。電子辞書で怪しい単語を調べながら再読しなくちゃどうしようもないです。

夕食後に再読。学生時代の外書講読を思わせる辛さ。とほほ。それも当然(?),この短編は1678年当時ジョン・バニヤン/John Bunyan によって書かれ,当時非常に流行した宗教書 "Pilgrim's Progress/天路歴程" にヒントを得て書かれた作品らしい。なもんで,この本の知識,さらにはその根底にある聖書の知識がないことには,意味がよく理解できないようなのだ。ちなみに,この作品では「名前がその人や地名の性質を表す」のが大きな特徴のひとつとなっているが,Slough of Despond/落胆の沼,Vanity Fair/虚飾の市,Valley of Humiliation/屈辱の谷,Apollyon/アポルオン(悪霊)等々,「天路歴程」からそのまま引用してきた固有名詞が少なくない(ほとんどパロディだよ,こりゃ)。

バニヤンの「天路歴程」は困難に満ちた天国巡礼の旅を描いた作品だが,ホーソンの "The Celestial Railroad" は,なんと "Celestial Country/天上の国" にいたる鉄道が引かれ,巡礼がお気楽かつ便利になったという話(結末はかなりブラックだけど)。

天路歴程 正篇

天路歴程 正篇

岩波ブックサーチャーより
滅亡の市に住む男クリスチァンは神の都への巡礼に出る.落胆の沼を通り,死の影の谷を過ぎ,虚栄の市では投獄されるなど,苦難にあうが,信仰をもちつづけてついに天国の都を望み見る.バニヤン(1628‐1688)のこの物語は17世紀清教徒文学の傑作であるばかりでなく,イギリス最大の宗教文学で,聖書に次いでひろく読まれ,強い影響力をもっている.