John Irving ”The Water-Method Man” 47~95p -2

主人公フレッド・ボーガス・トランパーは，尿道障害を持つ26歳の大学院生。専攻は比較文学で，新入生のドイツ語ラボのクラスを持ちながら，博士号取得に向け，古代低地ノルド語(ゲルマン語派スカンディナビア諸語のひとつらしい）の超マイナーなバラードの翻訳に4年も取り組んでいる。ヨーロッパでスキー代表選手だった女性を妊娠させ，彼女と結婚したことで，泌尿器科医の父から勘当されている。おかげで経済状態は火の車，アメフトのペナント売りでなんとか食いつないでいる状態だ。なのに，自分に気のある女性徒にそれを見られただけで激高してバイトの品を台無しにし，職も失ってしまう・・とまあ，「ムーン・パレス」（c)オースターの超貧乏青年マーコをも圧倒する悲惨さだけど，彼よりずっとアッケラカンとした性格のようなので，読む方も気楽だ。