Home Again

4LDKマンションのインテリア変遷キロク

陸奥の王者

起床6時20分。昨日1時間余り彷徨って興奮状態で帰宅した娘を落ち着かせるために買いにいった移動販売のメロンパンと,ヨーグルトの朝食。食いしん坊の彼女は,どんなにヒステリックになっていても,大好きな食べ物を前にすると機嫌を直すという便利な性格だ。しかし案外,こういう「自分を癒せる何か」をたくさん持つことが人生を豊かにしていくコツなのかもしれない。

子供会役員間の連絡や,保険会社への入院給付金請求書類送付手続きなど,雑務をゴシャゴシャ片づけてから病院へ。11時着。病室に夫がいない。まだカテーテルと点滴を付けたままだから,入浴や喫茶ではないだろう。とりあえずメモを残して面会室で待っていると,10分ほどしてやって来た。タバコ臭え。いくら「自分を癒せる何か」だとはいえ,このシチュエーションでタバコは勘弁して欲しいものだ。

現像できた子供の写真(第二弾)をいっしょに見て,少し気が安らいだところで,昨日担当医から受けた術後説明の内容を伝えた。夫は昨日一日朦朧としていて,ほとんど何も覚えてないという。24時間以内に罹患箇所に注入しなくてはいけない薬の処置を受けたことすら覚えていないというので,看護師に確認する。幸いちゃんと処置されていたそうなので安心した*1が,やはり手術当日は多少無理をしても一日ずっと付き添っておくべきだったか。

術後はずっと絶食だったそうだが,お昼から食事ができるというので,地下の売店で自分の分の弁当を買い,病室でいっしょに食べることにした。さすがに夫のメニューは,五分がゆとシチュー,豆腐といった身体に優しそうなものばかり。食事中,隣の男性の家族と看護師が終始激しくやり合っていた。最初は,退院後に家庭内で行わなくてはならない処置の講習を受ける受けられないというやり取りだったのだが,それが段々エスカレートしてきて,最期はとうとう,家族がみな忙しくてとても世話しきれないから,処置自体を通院で看護師にしてもらいたいという本音トークに。こういったやり取りを,当の本人の目の前でやってるのが何ともやりきれない。

特に必要なこともないというので,食事後に病院を出た。いつもと逆方向,カワトク壱番館の方に出て,エンガ・ディナーを購入する。正式名称が「陸奥の王者」なので,なかなかわからなかったのだが,店員に尋ねるとすぐ教えてくれた。「奥州で見つけた欧州」というコピーが振るっている。壱番館を出てふと前を見ると,光原社の入っているKホテルが目に入った。ここは新婚旅行で泊まった宿である。あの時は,10数年後にこんな形でこの病院の世話になるなんて想像もつかなかったよ。トホホ。いつも時間に追われていて,反対側を見回すだけの余裕もなかったが,こんな近くだったなんてなあ。明日は光原社も覗いてみるか。

帰りに英会話スクールの中央通り店に寄り,授業の予約を入れてきた。検討中,キャンプで世話になった人の良さげなL先生がコーヒーを入れてくれた。病院の健康的な薄味のとは違う,ちゃんと胃に応えそうな濃いヤツで生き返る。ありがたい。

2時に帰宅。さっそく熱い紅茶を入れて陸奥の王者をいただいた。正直言って今まで洋菓子は口に合わないと敬遠気味だったのだが,これはすごい。和洋の境を越えた豊かな味わいである。美味しくて,明日もガンバロウという底力がじわじわと湧いてきて,ふいに涙まで出てしまったじゃないか。麦さん,ありがとう。

f:id:yurin1968:20050830153917j:image 胡桃がウマーZ(^x^)のエンガ・ディナー

*1:この病院では,大事なことはきちんと確認しておかないと危険だと疑っている