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講演会を聴きに

13時半から教育会館で催された講演会に行ってきた。

そもそも先週の英会話サークルが終わる際,隣の和室を使っていた別グループの人に鍵をお願いしようと声を掛けたら,この講演会の主催者たちの集まりだったという縁だ。そのうちのひとりが,サークル講師のJ先生とメンバーのJ子さんのご主人を通して知り合いであり,こういう催しをするのでぜひ出席してもらいたいと案内をくれたのである。

手渡された案内を見ると「教育基本法の改悪反対」とあってギョッとした。・・恥ずかしながら案内を目にするまで,教育基本法が改正される動きがあるなんて知らなかったのだ。夫の仕事の都合上,今後東京の杉並で子育てをする可能性が高く,杉並で扶桑社の新しい教科書が採択されたことや,都立高校の卒業式で国歌斉唱しなかった教職員が処罰されたというニュース等は以前からとても気にかかっていた。また,先日の選挙で自民党が圧勝したことによって,郵政民営化の陰で世の流れが国家主義的な方向に進みそうだという気色の悪い不安感が腹の中で渦巻いてもいた。自民党勢力がこれだけ強大化してきた以上,憲法改正論議が危ない方向に進んでいくのは頭でわかっていたはずだった。しかし正直なところ,日常の雑事に追われてそれ以上深く考えてなかったのだ。

これじゃイカン!と教育会館まで足を運んだのだが・・行ってビックリ。もろ,テレビで報道される何か特別な集会という雰囲気で,私みたいなのがノコノコ入ってもいいのかと思い切り怯んでしまった。恐る恐る建物に入ると,案の定,受付は団体ごとに分かれていて怖そうなオジサンが座っているし,左手には国民学校の教科書や国民服(?)等が展示されている。目の前にはカンパ箱なんかもある。ドキドキしながら会場の扉を開けると美しい歌声が・・。おおっとピーター・ポール&マリーの歌を日本語で歌ってるらしい。会場は8分くらいの入りだろうか。団塊世代以上の方が多く,同年代以下は少ない。子育て最前線世代の大半は,この時期は学校行事ラッシュで出席しにくいのではないかと思う。講演会と思って来たのだが,実は「教育基本法を守る岩手の会」の決起集会だったようだ(んなこと事前に案内で確かめとけって>自分)。設立メンバーの挨拶やら教育基本法の読み合わせのあと,いよいよ講演会が始まった。

講演の1時間半はあっという間に終わってしまった。講演者は護憲派の東大教授*1で,大日本憲法教育勅語の関係との対比から始まり,今回の憲法改正*2教育基本法改正*3のポイントや,こうした動きの背後にある思惑*4まで,実にわかりやすく説明してくれた。こういう話を聞くと,新聞に書いている内容もすんなり頭に入るというものだ。

自民党の圧勝で,もはや自分の感覚はズレているのだろうかとショックを受けたものの,護憲を大っぴらに語る人の中には違和感を感じざるを得ない人も少なくなく,自分の思想軸の置きどころが怪しくなっていたのだが,今回の話を聞いて,これだけ冷静に護憲論を語れる方がいるという確認ができたのが何よりであった(失礼千万すみません)。半年後には離れる可能性の高い岩手ではあるが,この会には頑張って欲しいなという気持ちで1000円だけカンパを入れさせてもらい,会場を出た。

夫に頼まれた,ジョン・アーヴィング「未亡人の一年(下)」をさわや書店で購入し,帰宅。

*1高橋哲哉

*2:権利主体から義務主体へ:憲法そのものの持つ意味の変化,9条・20条・24条の変更など

*3憲法との関わりが削除される,1条・10条の変更など

*4新自由主義と新国家主義