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4LDKマンションのインテリア変遷キロク

住民総会

小規模マンションで集会室がないため、近所にある某会館の会議室を借りて行われた。築2年で既に何件か入居している部屋もあったとはいえ、マンションとしては今回が正式の第1回住民総会ということになるそうだ。

建設後、3ヵ月で販売会社が倒産。その時点での販売戸数は約1/3。当然、管理費もそれだけしかないため、管理会社がその金額でできることを最大限やって、何とかマンションを維持してきたという。その後、競売で競り落とした業者が全面的に傷んでいた個所を補修したうえで無事全戸販売し、現在に至るというわけである。

総会は、そうした経緯に関わる業者らの挨拶と説明から始まった。そして、販売代理業者による管理計画の大幅見直し案の説明に突入。

この計画は、販売代理業者が管理業者らとともに作り上げたもので、私たちはこれを事前に見せてもらっていたからこそ、この物件の購入に踏み切ったのだった。が、それは「うち個人の事情」。首都圏や関西圏で老朽化したマンションの管理問題が顕在化しているのを身近で見聞きしてきた私たちにとっては必要不可欠なものだが、これはあくまで案であり、総会で議決されることによって、初めて「計画」として機能するのである。

案の定、恐れていたとおり、松山ではそうした感覚が浸透していないのか、「何でいきなりこんな話をするの?」的などよめきが、とりわけ初期購入組の方から上がってきた。後期組はほとんど皆、事前に聞かされていた話だったのだが、どうやら初期組の方々は、総会の場で初めて聞かされたらしい。ただでさえ、後期組より高い価格で購入されてるのに、そのうえいきなり積立金や駐車料金の値上げの話なんて嫌だよね、やっぱり。と、それなりに喧々諤々。

しかし、初期組の方々は高い金額で入られているだけあって、後期組より所得層の高い方々が多いのか、議論を進めるうちに、自分たちの資産であるマンション守るために必要なことであればイタシカタナシという雰囲気になってきた。この計画があったからこそ購入を決めた私たちとしては、「ふー、やれやれ」である。

その後は、決算や予算案の承認、管理業者選定の承認、理事の選出など。これも揉めるんじゃないかと懸念してたのだが、販売代理業者が事前に打診をしてくれていたそうで、あっさり決定。

大変な経緯のあったマンションだけど、こうしてみると、経験豊富な他県の業者が入ったのがかえって良かったのかもしれない*1。もちろん、競売で物件を落札した業者や販売を委託された業者も儲けることが前提なんだろうけど、「先に入った住民の方も、あとから購入して入った住民の方も、みんなで一緒に幸せをつかみましょう」みたいな気持ちで仕事を進めているのが、住民側にちゃんと伝わってるように感じた。いろいろあったけど、それぞれの業者の影のバックアップでここまで何とか持ちこたえてきたということも総会でよく分かったし、だからこそ皆でいいマンションにしていこうよという気持ちを住民のほうも分かち合えたらいいな。まあ前向きに考えていきたいものだ。

*1良くも悪くも四国の業者さんは、「食っていけたらそれでいいけん」的のんびりムードが根強いように感じる。競売落札直後は地元のマンション専門業者が販売を任されたというが、半年以上ほとんど販売実績を上げることができなかったそうだ。にもかかわらず、他県の業者に販売が委託されたとたん、ほぼ3カ月で完売である。先行購入組との調整、新たに買う層のニーズの把握などがほとんどないまま、間取り図と最低価格だけが掲載された小さなチラシをポスト投函するくらいの販売活動だった。マンション購入を考えてる人にとっては、「よさげで気にはかかるけどなんか怪しいし怖いなあ」というような雰囲気だったと思う。それが他県の業者が来たとたん、モデルルームを作ってカラー版の大判広告を新聞の折り込みチラシを配布するは、マンションにのぼりを立てるはといった具合。問題のあった改善計画も見直しし、(足りない点もあったようだけど)ちゃんと初期購入組にも直接足を運んで仁義を切っきたという。やっぱり、いくら物件が良くても、ある程度必要な費用をかけ、やるべきことをやらないと、売れるものも売れないということなんだろうなー。