Home Again

4LDKマンションのインテリア変遷キロク

Kさんのこと

起床6時40分。昨日いっしょに食事をした役員仲間のKさんの話が頭を離れない。彼女はサッカー大会で起きた出来事をご主人に話そうとして,「そういうイライラを家庭に持ち込むな」と言われたんだそうな。彼女のことだから,決して直接八つ当たりをするという感じではなく,ちょっと聞いてというくらいの話し方だったと思う。なのに自分が深いダメージを受けた際に気持ちをパートナーと分かち合えないなんて,どういう関係じゃ?

ちなみに彼女が一日走り回っていた間,彼は一日プレステに熱中していたそうだし,洗濯も掃除もご飯づくりもみんな彼女が当たり前のようにやったんだそうな。とにかく彼女がどんなに苦労をしていても,自分のために尽くしてくれていた母親に比べたら,大した苦労じゃないと言われるらしい。そして,自分は平日働いてるんだから,土日は休むんだというスタンスを決して崩さないのだと。

まさか自分と同世代(というか同じ年だ)でこういう関係の夫婦もあるなんて,正直なところ大変驚いた。何でもご主人の母親が長男の彼だけを手塩に掛けて育てた結果,そうなってしまったそうで,次男は逆にまったく手を掛けられなかった分,何でも自分でやってしまう超マメ夫になっているという。

結婚以来ずっとそんな状態だっただけに,彼女はもう割り切って,基本的に自分で築いた交友関係の中で愚痴を言い合える友だちを作って気持ちのやり繰りをつけてきたそうだ。確かに,人一倍明るく積極的に役員の仕事なんかも引き受ける彼女の周りには,いつも友だちがいっぱいだ。ただ今回のことに関しては,ちょっと人に言えない話だっただけに,その日,どうしてもやり切れなかった気持ちをご主人に聞いて欲しかったのだ。そこでその仕打ちは無いだろうと,聞いてる私まで居たたまれなくなった。彼女の元に残ったのは,「何で?」という気持ちとともに,あーやっぱりどうしようもないという諦めだったという。

彼女が抱えてきたいくつもの「何で?」の先にあるのは,ご主人とその実家の圧力,それも長男に全身全霊を尽くしてきたという義母の人生の重みではないだろうか。そんな圧倒的パワーで迫られた日には,彼女の「何で?」はいとも容易く吹き飛ばされ,結果としてひたすらご主人と子供に尽くすことだけを人生の目的として背負わされているのではないだろうか。彼女の人生だから私がどうこう感じてもしょうがないとは思うものの,つい思い返してしまっては,めちゃくちゃ腹が立って仕方がない。

漢検やら英会話といった自己研鑽的な話題が持ち上がると,たいてい彼女が「私はもういいんだ」と吐き捨てるように言うのも,聞いていてとても気にかかる。彼女は交渉力抜群で,仕事に対する責任感も強く,とても頼りになる人だ。なのに自分のこととなると,どうしてこうも人生を諦めたような言いぶりをするのだろう。敢えてそういう言い方をすることによって,何とか自分を納得させているという風にすら感じられてしまう。そういうのは,見ていて本当に辛い。