Khaled Hosseini ”The Kite Runner” 320~371p -6 読了

第24章でアミールがソーラーブにしでかした決定的な過ちは、いくら状況的に切迫していたとはいえ、そこまでの「うっかり」がありえるのか？と作者の意図がちょっと強引なようにも感じられたが、読了感は爽やか。読書中何度もゲゲッと感じながらも、中断することはできず、読了後には「ああ面白かったな」と思わされる。これは間違いなくいい小説なのだろうと思う。

文中、Farsi（現代ペルシア語）なのかPashto（アフガニスタンの公用語）なのかわからないが、カブールで主人公たちが使う言葉がふんだんに散りばめられている。読み始めは戸惑いもあったが、文章の流れに乗って次第に自然と読む方の身体に入ってきた。

オマケで巻末にまとめられた "Readers Guide" が面白い。"The Kite Runner" を読んでいく上でポイントとなる箇所に関し、19の質問が与えられている。本編読了後、自分なりに質問に答えていくと理解が深まるだろうし、数人の読者で討論するのも面白そうだ。この質問も作者が作ったのかな。だとすると、かなりサービス精神旺盛な作家さんだ。次回作は今年の夏だということだが、楽しみだ。