Jon Krakauer ”Into the Wild” を読む ~23p -1
- 作者: Jon Krakauer
- 出版社/メーカー: Anchor
- 発売日: 1997/01/20
- メディア: ペーパーバック
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著者のジョン・クラカワーは、エベレスト遭難を描いた "Into Thin Air" で一世を風靡した作家だそう(・・・アメリカの新田次郎?)。"Into the Wild" で取り上げられているクリス・マッカンドレスは、90年大学卒業だからほぼ同年代。何でこんなバカなことを・・と呆れながらも、惹かれてしまうものがある。ポール・オースターの "Moon Palace" でのエフィング老人やマーコの西部行きなんかとも重なる何か。きっとアメリカ人の方がこういう傾向を持つ人が多いんだろうと思いつつも、自分にもきっと共感してしまう部分があるのではないかと。怖さ半分興味半分。
1992年4月、ひとりの青年がアラスカ山脈の北麓、住むもののない荒野へ徒歩で分け入っていった。四か月後、ヘラジカ狩りのハンターたちが、うち捨てられたバスの車体のなかで、寝袋にくるまり餓死している彼の死体を発見する。彼の名はクリス・マッカンドレス、ヴァージニアの裕福な家庭に育ち、二年前にアトランタの大学を優秀な成績で卒業した若者だった。知性も分別も備えた、世間から見れば恵まれた境遇の青年が、なぜこのような悲惨な最期を遂げたのか?クリスは、所有していた車と持ち物を捨て、財布に残った紙幣を焼き、旅立つと、労働とヒッチハイクを繰り返しながらアメリカを横断、北上し、アラスカに入った。著者のクラカワーは、大学卒業後のクリスの人生を追いかけ、その時々にクリスと触れ合った人びとを捜し出してインタヴューし、彼の心の軌跡を検証する。登山家の著者にとって、クリスの精神は理解できないものではない。また荒野に魅せられた人びとというのは、昔からいて、さまざまな作品や記録が残っている。こうした精神史や自らの体験も踏まえ、共感と哀惜の念を込めて、クリスの身に何が起こったのかを描き出す。出色のノンフィクション。(アマゾンレビューより)