Home Again

4LDKマンションのインテリア変遷キロク

Edward P.Jones ”The Known World” 336~388p -12 読了

何とか読了。19世紀のヴァージニア州の架空の村マンチェスターで、地元の白人有力者から認められた黒人ヘンリーの農場を中心に、淡々と綴られるお話。読み始め当初はひたすら気持ちのよい眠気を誘われてしまったのですが、次第にどっぷりとその小さな世界にハマっていきました。

正直なところ、読後、感銘を受けたとか勉強になったようなことはありません。が、当時の南部というもの・・・きっとそれは現代まで引き継がれているはず・・を、じわりと感じさせてくれる"何か"はありました。黒人を"奴隷"として所有していた"元奴隷"黒人ヘンリーという特異な存在(に感じられます、やっぱり)を取り巻く、数多くの人々のささやかな生き様を通して見えてくる"何か"。しかしこのヘンリー、小説の中心人物でありながら、あっという間に若くして亡くなってしまうんですよね。ですが、亡くなったことによって一層その存在が際立ち、"南部の空気"をよりよく知らしめてくれるというか・・・せっかくその身一つで成功しかけていた彼には大変お気の毒なのだけど、小説の構成としては面白いなと思ってしまいました。

いろいろと思い入れてしまう人物があって、語りつくせないような感じです。いわゆる南部ものに手を出したのは今回が初めてだったのですが、また読んでみたいです。