Home Again

4LDKマンションのインテリア変遷キロク

Lois Lowry ”The Giver” 139~179p -4 読了

近未来。何もかもが完全にコントロールされ、飢えや悲痛な悲しみを感じることなどありえない世界。11歳までは「子ども」として周到に管理された計画どおりに育てられ、「12歳の儀式」でそれぞれに適した職業を任命される。以降は職業人として訓練の日々を過ごし、与えられた子どもを育て、老後の保障も完璧。しかしそれは、色彩や音楽、本当の感情や愛、ありとらゆる選択の自由がない生活だ。主人公ジョーナスは、そんな世界の中での幸せを疑うことなく、子ども時代を過ごしてきた。儀式の日、全てが管理される以前の記憶を受け継ぐ唯一の存在、Receiverに選ばれるまでは。先代Receiver=Giverを通して本物の悲しみや痛み、喜びや愛を知り、自分が過ごしてきた世界の完璧さに疑いを抱き始めたジョーナスが取った行動は・・・?

自由だが危険を含む世界と、安定した人生が保障されてはいるが全てがコントロールされた世界、どちらを望むか。主人公の結末から思い知らされるとおり、自由の代価は計り知れない。管理された世界を見限ったジョーナスが求めるElsewhereは、果たして存在したといえるのだろうか。Receiverが亡くなると、彼が受け継いだ記憶は世界に放たれ、すべての人々が再び本当の痛みや喜びの記憶を得る・・・のだよね。とすると、Giverはそれを見越して彼を逃がしたとも思えてゾッとした。

方向としてはキラやアスランの側なのに、なぜかラウ・ル・クルーゼと重なってしまうのは、彼らの孤独が共通するからか? 息子はジョーナスがコミュニティを飛び出したのと同じ13歳。彼にも読ませてやりたいと思って、行きつけの図書館サイトで翻訳本を検索してみたのだけれど、残念ながら所蔵なし(涙)。盛岡の学校図書館にあったと聞いていたし、比較的ポピュラーな本だと思っていたのだけれども。・・・県立図書館は所蔵しているようだ。こちらでも図書カードを作らなくっちゃ。