Home Again

4LDKマンションのインテリア変遷キロク

George Orwell ”1984”  137~179p -5

ここまでの話の流れ。

主人公のWinstonは39歳の官僚。両親はGreat Purgeで粛清され、結婚はしているものの、妻は盲目的に党への忠義を尽くすタイプ。気持ちを分かち合うことなどできず、子どもを作って党に貢献することだけを目的に続けられていた夫婦関係は、それが叶わないと発覚するや破綻。今は相手の生死もわからない状態で別居中だが、党則により離婚はできない。

あちこちに備え付けられたtelescreenなる双方向TVで生活の隅々まで党に監視され、友人たちとの付き合いは互いに疑心暗鬼。毎日の食事は、低い天井の地下食堂で長い順番を待って与えられるピンクグレイのシチューやチーズ。生活必需品は慢性的品不足の上、質の悪い嗜好品*1の配給は減らされるばかり。ささやかな本音を日記に綴ることにより辛うじて自分を支えているという・・・もはや瀬戸際は通り越し、生きながら既に死んでいるようなものだ。

そんな彼にもようやく春が訪れた。26歳の魅力的なバリバリ党員の女性から、ある日突然 "I love you." と書かれた手紙をもらったのだ。今までの悲惨な生活の反動で、骨の髄までハマってしまう主人公。彼女Juliaは一見熱心に党活動に打ち込みながらも、実は "If you kept the small rules you could break the big ones." とばかり、党中枢部からヤミで本物のワインやコーヒーを調達し、人生を謳歌しているような女性だ。だがそんな彼女も、党によって既に自分の記憶が完全にコントロールされてしまっていることには、全く懸念を抱かない。次第に不安を感じ始めるWinston。

そして、彼女との密会がついに露見する。二人の元に来たのは主人公が密かに慕うO'Brien。党中枢部に属しながら、粛清された元幹部や地下組織にも通じているという怪しい男だった。どうなるWinston?! ・・・というところで以下次号です。

*1軒並み'Victory'なんちゃらと書かれているのが笑えてしまう