Home Again

4LDKマンションのインテリア変遷キロク

Complications  46~74p -3

  • 医療ミス

問題が発生すると、やれ怠慢だ、無能だの、注意が足りないといった批判が起きる。しかし、ミスを犯した当人には、せいぜい"I'm sorry that things didn't go as well as we had hoped."としか言えない。実際、怠慢が原因で患者が犠牲になるケースなど、ほとんどないのだから。

大学病院で起こった問題案件については、M&M(morbiditiy & mortality comference)と呼ばれる内部会議で取り上げられ、討議が行われる。目的は犯人探しではなく、事態の検証と今後の対策を検討することにある。

能力の問題は、residentに技術修得させる必要がある以上、否が応でも付きまとう。とりわけ人が限られている中で急を要する事態が重なり、residentがベテランのco-medicalに交じって活動するとなると、誰がどこにつくのか、誰がその場の責任を担うのか、どの程度で助けを呼ぶべきかといった判断が極めて難しいものとなる。

注意不足については、Human factor工学やJames Reasonの"Human Error"等で明らかなとおり、どんなに優秀なベテラン医師であっても免れることはできない。故に、個人に対する訴訟や罰則が医療の改善に繋がる可能性はほとんどない。そうした事態が起こらないようなシステムづくりが、何より必要なのだ。

ただそうは言っても、問題となる事態を起こしてしまった当人は激しいself-doubtに苛まれることとなる。そこあるのはguiltではなくshameである。自分はそのときベストを尽くしていたか、本来どうすべきだったか、なぜそうはできなかったのか・・・悩みは尽きない。