Home Again

4LDKマンションのインテリア変遷キロク

Paul Auster ”Oracle Night” 155~169p -13

翌日は特にやることもなく,Orrはお昼過ぎに起床。最悪の気分でトースターを買い直し(盗まれてしまったのだ),ピザとコーラの昼食を取る。その後,図書館でJohnに教わったSylvia Monroeの著作,Night in MadridとAutumn Ceremonyをskim/ザッと読む。青いノートの小説内小説として登場するOracle Nightの作者,Sylvia Maxwelとの共通点を確認するためであったが,著者の名前(Sylvia M~)と書名(Nigh~)が共通する以外,何ら関連性は見い出せない。安心すべきなのに,そうは思えないOrrだ。

5時半に帰宅すると,answering machine/留守番電話にGraceの伝言が入っている。第1に家を出てからずっとOrrのことを考えていたということ。第2に子供を産む決意をしたということ。第3に5時きっかりに退社しテイクアウトの総菜を買って帰るので,夕食を作る必要はないということ。第4にMiss Virginia's achin'(~したくてウズウズしている) to get naked with her man.なので,ドア前で待っていてくれとのこと。Miss Virginiaとは,新婚の頃,OrrがGraceにつけたpet name/愛称である。…いい女房ですなぁ(^_^;)

Graceの帰宅後は2人ともいい感じで夕食をともにする。先日の外泊のことには一切触れず,買ったトースターを見せたり,2人で生まれてくる子供の名前を考え合ったり。

翌朝は10時半起床。Graceは既に出勤している。代理人Mary Sklarrが電話で,Bobby Hunterから依頼されていた映画の仕事はボツになったと告げる。They said your plot was too cerebral(感情よりも知性に訴える).とのこと。いきなり脚本の草稿を送ったことで相手はとても驚いたらしい。だが採用はしないものの,その原稿料として1000ドル分のトークンを支払ってくれるという。

電話を切ったあと,今度はJohnから電話が入る。離婚した最初の妻Elenorとの間にできた息子のJacobが麻薬矯正施設に入り,28日間のプログラムを受けるので,Tomorrow's Saturday/明日の土曜のvisiting hours/面会時間に彼を訪ねてもらいたいという。父親のJohnが行くべきではないかと言うOrrに,息子は自分とほとんど口を利かないし,彼はOrrのことをcoolだと思っていると説明するJohn。また,OrrがGraceといっしょに行こうと思うと告げると,それは Out of the question.だと言われる。

Jacobは初対面のときから異様なまでにGraceを嫌っている。13歳のGraceに初めて会った3歳のJacobは,いきなり彼女に殴りかかり,オモチャのトラックを彼女の膝に投げつけたという。その傷は今も残っているくらい酷いものだった。またその後,Johnが2度目の妻Tinaに死なれ,ヨーロッパを転々とした後,購入した家で偶然2人が鉢合わせしたときにはもっと酷いことになった。食事の支度をしていたGraceのinnocuous/無害な言葉に,突然Jacobが猛り狂い,彼女をsupid bitchと罵り,彼女の顔に唾を吐きかけたという。彼がナイフでも持っていたなら,彼女の胸に突き刺していただろうとJohnは言う。それ以来,2人を決して会わせないようにしているのだと。

翌日の土曜,OrrはGraceに告げず,Jacobのいるrehab facility/矯正施設を訪ねる。