Home Again

4LDKマンションのインテリア変遷キロク

Nathaniel Hawthorne ”The Birthmark” 1~12p 読了

以前ネットから落としてきたのを,やっとこさ全文読んでみた。

主な登場人物は,完璧な美人でありながら,唯一左頬に小さな赤い痣を持つGeorgianaと有能な科学者の夫Aylmer,その助手Aminadab。チャームポイントとも言われていた妻の痣を,夫は彼女の美しさが完璧であるが故に忌み嫌い,自分の科学的知識でなんとか取り除こうとする。顔が紅潮していると痣はほとんど消えてしまうのに,夫の前では彼の冷たい視線を感じ,始終青ざめているため妻の痣はいっそう目立つようになる。なんとも皮肉。

夫の思いの深さを知り,妻は命を賭けて自ら痣を取り除いてくれと夫に迫るよう追い込まれていく。それは妻の夫に対する愛ゆえ・・なんだろうが,ホーソンが描こうとしているのは,こうした妻の愛の深さそのものより,Aylmerが象徴する科学技術万能主義や外見への囚われ,ピューリタニズムの偽善性といった愚かしさだろう。

そのためか,冒頭からいきなり小難しい表現が盛り沢山(ってなわけでダウンロード後,4ヶ月放置)。だが,いざ読み始めると話の流れは掴みやすかった。・・というか,オースターの "The Book of Illusions" であらすじを予め知っていたから,なんとかなっただけか(汗)。