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4LDKマンションのインテリア変遷キロク

Complications  123~129p -7

  • 原因不明の痛み(続き)

痛みは、痛みを感じている箇所で起こっているのではない。感覚器官で発生した刺激が脊髄から脳に伝わり、脳が痛みを感じさせている、というのはこれまでの常識(忘れがちだけど;;)。

しかし最近の研究で、感覚器での刺激がなくても何らかの刺激が脳に起こると痛みが発生する、ということがわかってきた。つまり、脳(視床)のある部分を刺激すると、背中に激痛が走ったり、指先が震えだしたりするというのだ。

すなわち「慢性的な原因不明の痛み」の原因は、痛みを感じている箇所ではなく、脳にあったのかもしれないというわけだ。こうした知見に基づき、てんかん薬や脳の手術で痛みを取り去る試みも始まってきているという。

しかし実際問題として、原因不明の痛みに対する現場の対応はまだまだお粗末で、患者はしばしば医師に自分の痛みを信じてもらえず、痛みそのものと理解を得られないということの二重の苦しみを味わう・・・・・・こうしたストレスがさらに痛みに拍車をかける可能性もある。痛みというものは、外部環境や精神状態にも影響される複雑なものなのだ(筆者は'80年代にオーストラリアで起こった集団RSI(repetitive strain injury: 反復運動損傷)の発生が社会的な対応の影響を受けているということを例として挙げている)。

・・・こうなると、痛みは社会的な問題であるとも考えられる。まずは、原因不明の痛みに対応できる医療の体制作りが必要ということだ。