Home Again

4LDKマンションのインテリア変遷キロク

Paul Auster ”Oracle Night” 124~133p -10

ChangのPontiacに乗ったとたん,Orrはウトウト。気づいたときには中華街へ。慌てて降ろしてくれと頼むが,Changは30分だけ時間をくれと言う。そこに行くと,間違いなくリラックスできる。その上で相談に乗ってもらいたいことがあるとか。

そこは念入りにカモフラージュされたsex clubだった。文房具屋経営に失敗したChangは,新たな融資を受けてクラブの経営に着手しようと考えているという。妻に充分満足しているからこんなモノは必要ない,即帰ると言うOrrに,ひと目女性を見るだけでいいと強引に迫る。Orrの元に来たのはAfrican Princessと呼ばれる,ハイチから来たMartine。Orrは,今までであった中でもっとも美しい女性だと感じ,彼女の魅力から逃れられない。破滅への道だと理解しながらも逃れることができず,後悔の念を抱きながら帰路につく。

翌朝の朝食の場で,2人とも夢や妊娠の話を口にしないものの

The issue was still up in the air,

Orrは昨日の自分の振るまいが頭に残っていて,話の口火を切れない。Graceはいつもより口数が少ないが,Orrは自分の所行が知れたとは思いもしない。地下鉄の駅まで彼女を送っていく道すがら,Graceが

We trust each other, don't we, Sid?

People can go through rough time, can't they?

と訊く。僕たちは既に大変なこと(Orrの入院のことか)を乗り越えてきたじゃないかとOrr。

No matter what happens with the baby, everything between us is going to be fine. We're going to make it.

Graceはやはり子供のことを考えていたのだろうか。

We've already made it. とOrr。

You're the best, Sidney. と言ってキスをし,No matter happens, don't ever forget that. と言い残して去るGrace。…子供のこと以外にも何か問題があるのかも。

帰宅後,事務所から映画の件でMaryから電話が入る。脚本の叩き台に目を通し,概ねいいと思ったので,ハリウッドのBobby Hunterに送ったとのこと。その他,スペインで先に出版された”Self-Portrait”の評判が高く,それを見てポルトガルの出版社が興味を抱き,最新2作の版権を各400ドルで買い取りたいというオファーを出してきたという。Maryはさらにそれらを各500ドルまで引き上げられると語る。ポルトガル,それはもちろん青いノートが作られた国である。

that's where I live now, where I like or not. Portugal is perfect. The way things have been going these past few days, it has to be Potugal.

とOrr。ワケがわからないというMaryに,Orrは,長い話になるので詳しくは会ったときに話すと告げる。